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かたづける。

父の誕生日をすぎて、
あたしたちはやっと、父の事務所を片付けてゆくことにした。

書類も、メモも、本も、
どれもこれもきちんと整頓されていて、
そしてそこかしこに父の気配があって、
文字なんか見つけてしまうと、

どうしてここに、父だけがいないんだろうと思ってしまう。

神も仏もあるものか、と、
ハナウタ氏がつぶやいた。

本当にそうだね。

いつかあたしがプレゼントした革のサンダルは、
ほとんど新品同然でここにあった。
外で履くのはもったいないから、と
父が室内履きにしていたから。

引き出しにしまってあった孫たちや、
妹の結婚式の写真。

父はここで何を思い、どんな時間を過ごしたんだろう。

もう今となっては知る由もないけれど。
ここに父はたしかにいたんだ、ということと、
それなのにどこにもいないんだ、ということが、
ぐるぐる頭の中をまわって、

それで、この場所を簡単に人に渡してしまえるわけがない、と思った。
もういちど。
ここを、使おう。
創作の場として。
引き継ぐよ。
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by miumiu307 | 2012-09-09 22:35 | family

半年。

もう半年だなぁ、と思ったり。
まだ半年かぁ、と思ったり。

去年の今頃は、すごく楽しい父の日を過ごして、
でも、咳が気になって気になって、
病院の検査をした頃かなぁ。

予想以上の病名に、
おうちでひとりで、座りこんだっけなぁ。

まだまだ生きていられると思って疑わなかった父は、
きっちり半年でするりと命を手放し、
どうあれ、なにがあっても確実にあたしを守ってくれる人が、
この世から姿を消してしまったこと。

実はまだ、受けとめられずにいます。

我慢強くて、
弱音をちっとも吐かなかった。

足が弱って、立つのが大変になっても、
あたしに体を預けようとはせずに、最後まで自分の足で立って歩いた。
強くて、大きくて、かっこいい父だったと思う。

ほんとに、つよかった。

だから、弱虫のあたしも泣かずにそばにいられたんだと思う。
意地でも、あたしの前では、強い父親のままでいようとしてたのかもしれない。
おかげで、あたしも、おうち以外では落ちこむそぶりも見せず、
叫び出したいほど切羽詰まっていても、
かけらも外に出さない術を身につけ、
(そのすべてを受けとめてくれたのは、もちろんハナウタ氏だけれど)
台本を書くことも、公演も、そのあいだにお葬式だってできた。

で、半年。
今日、舞台のDVDが届いた。
主人公の女の子が『やっぱり行っちゃいやだ!』と台詞を言う。

ちょうど半年前、泣きながら台本を仕上げたことを思い出した。
本当は、見送る話を書こうと思っていたのに、
どうしてもそうできなくて、
みんなにわがままを言って、
最後の仕上げを待ってもらったのだった。

あたしも、やっぱりいやだ。
今でもいやだいやだ。

だから、毎日を大切に生きたいと思う。
父の娘として、胸を張っていられるように。

やっと半年。
1年たつまでは、ときどき泣いてもいいと思っている。
あのとき、さんざん我慢したから。

ね?いいよね?
おとうさん。
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by miumiu307 | 2012-06-20 20:58 | family

父。

大きな手でした。
しっかりした、厚くて、きれいな手。
あたしの爪が丸いのは、きっと父に似たんだと思う。

きっと。

生まれたときに、うれしくて、かわいくて、
こんなかわいい子は他にはいないと思って、
誰にでも見せたくて、
いっぱい連れて歩いたなぁ、と言ってくれてありがとう。

すてきな名前をつけてくれてありがとう。

いっぱい、ありがとうね。
そこからも、きっとあたしを見ていてね。
あたしは、父の娘らしく、立派にやってみせるから。

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by miumiu307 | 2011-12-20 12:57 | family

まだ、渦の中。

お友だちに、相談。
治療のことや、色々。

抗がん剤治療のこと。
免疫療法のこと。
それから。それから。

あたしたちは、幸せなことに何も知らなかったけれど、
世の中2人に1人はガン患者さんなんだって。
そんなこと、ちっとも知らずにいたなぁ。

それがどんなに幸せだったかを、こんな形で知るなんて。
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by miumiu307 | 2011-07-09 13:05 | family

病名。

肺腺ガン。
ステージⅣ。
それが、父に告げられた病名でした。

なんとなく、軽くはない気がしていたけれど、
想像以上の重さに、押しつぶされてしまいそうになる。
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by miumiu307 | 2011-07-08 17:00 | family

七夕。

涼しい夜。
七夕の星は、やっぱり今年も見えないけれど、

いのろう。

父のおだやかな毎日を。
母の幸せな毎日を。

あたしに、つよい心を。
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by miumiu307 | 2011-07-07 23:19 | family

知らない駅。

知らない駅に、ひとり。
情けないけれど、足がふるえて、

あたしって弱いなぁ、と思いました。

まいっちゃうなぁ。
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by miumiu307 | 2011-07-02 18:03 | family

ねがうなら。

覚悟なんてものは、
前もってできるものじゃなく、
突然やってきて、
無法者のようにせまるものなのだなぁ、と思った。

それでも、キセキとか、マホウとか、
そういうのを、信じたくなる夜。
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by miumiu307 | 2011-07-01 23:14 | family

はじめてのできごと。

明日から入院、が決まった。
父の日からこっち、いろんなことが、突然すぎる。
突然すぎて、頭では理解してても、
中には入ってこない感じ、きっと、母も。

なぜって、今まで、病気ひとつしたことのない父なのです。
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by miumiu307 | 2011-07-01 21:55 | family